試飲会

試飲会

Sep 07、2023

皆さん、こんにちは♪

 

Restaurant TOYO Tokyoソムリエの徳重です。

 

このコラムでは、ソムリエの日常であったり、レストランではなかなか聞けないソムリエという職業への疑問のアレコレを書いていきたいと思います

 

皆様がレストランに行かれると当然ですが、ワインがあります。そのワインたちはソムリエが選んでお店に取り揃えている訳ですが、ではそのワインはどこでどのように選定しているのでしょうか?

 

そこで今回のテーマは、「試飲会」です。

読んで字の如く、試飲をしてお店で使うワインを決める会のことですが、世のソムリエさん達はココでたくさんのワインをテイスティングして自店でお客様にサービスするワインを決めるのです。

 

             

 

この試飲会は主に、外国からワインを買い付けて日本に輸入し我々のレストランに販売してくれるインポーター(ワイン輸入業者)と言われる方々が主催する会なのですが、ホテルの宴会場の一室や酒屋さん、インポーターさんの事務所などを借り切って行われます。

 

会場には、そのインポーターさんが所有する生産者のワインがズラリと並べられ、多い時には100種類ほどのワインを時間にして1時間から1時間半程度でテイスティングします。

 

大体、会場に入るとその日並んでいるワインのリストが渡されて、それに各々テイスティングしたワインをチェックしたり、感想を書いたりしていきます。

 

             

 

テイスティングする順番は人それぞれだと思いますが、大体の方が【泡→白→赤→食後酒】というようにレストランで食事をする時にワインを注文する順番で進めているように思います。

実はこれ、ワインを正常に判断するために工夫された順番なんです。

赤ワインにはタンニンという渋み成分が含まれています。
皆様もきっとご経験があると思いますが、歯茎がギシギシするヤツです。
これはポリフェノールという成分が影響しており口内に強くダメージを与えるもので、白ワインにはない要素です。

赤ワインを飲んだ後に白ワインを飲んでも、私たちの鼻や舌は白ワインの繊細な香りやフルーティーな味わいを感じ取りにくくなってしまいます。
だから、基本的には繊細なものから味見していくのです。

中には、スパークリングワインは泡が口内を刺激して舌が疲れてしまうため白ワインから先にテイスティングする!という方もいるようです。

時間がない方は、お目当てのワインだけをさっとテイスティングしてサクッと帰るというのもあり。

 

何十種類も試飲するので実際にワインを飲み込む方は少なく、口の中に含んだ後は吐器(とき)に吐き出すのが一般的。でないとベロベロに酔っ払ってしまいますからね。

私も試飲会に初めて参加した際にはこの事を知らず、出されるワインを全て飲んでしまい、その後大変なことになってしまった記憶があります。今となってはいい思い出ですが、、、。

 

口に含んでは吐く、この動作をスピーディーに繰り返し数多くのワインをテイスティングしていきます。

 

この時ソムリエは一つひとつのワインを前に、「価格」と「味わい」のバランスを見定めています。つまり、「コストパフォーマンス」ですね。
自店であればいくらで販売できるか、現在あるお店の在庫ワインとの兼ね合いや今月のお客様のご予約状況などを鑑みて、そのワインを購入するかどうかを判断していきます。

いくら美味しいワインであったとしても、お店の客層や客単価、売値に合わないセレクトは自店の数字を圧迫してしまい、お店が存続の危機に瀕してしまうことになりかねません。

ワインセレクトは、お店のいろんな要素を鑑みた上で決定しなくてはなりません。

これもソムリエに課された重要な責務なのです。

 

また、試飲会にはお店のソムリエ以外にも、料理人や酒屋さんなど多くの飲食業界の方々が参加されています。
皆さん自店のお客様により魅力的なワイン、そしてサービスを届けるために真剣にワインと向き合い、会場はいつも熱気で溢れています。
そんな場である試飲会に参加すると私も毎度刺激になり、日々の仕事の励みになっています。

 

試飲会は、ソムリエや飲食店従事者にとってお客様を迎える為の大切な準備の一環といえるでしょう。

 

え?試飲会は一般の人は参加できないの?と思われた方もいらっしゃると思いますが、中には一般の方々にも開かれる試飲会などもあったりしますのでワイン雑誌やワインショップの情報などチェックして、是非足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

             

 

今回のコラムに関するご意見・ご質問等ございましたらレストランに直接問い合わせて頂くか、私個人のInstagramなどにDMでメッセージしてもらっても構いません。

 

これからの「leap」を宜しくお願い致します。

 

 

Restaurant TOYO Tokyo

ソムリエ

徳重 雄大

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